あいさつ
こんにちは、アイ・スーです。今回は「神無迷路」を紹介します。
概要

「神無迷路」は、2024年5月15日にSteamでリリースされたSFミステリーノベルゲームです。本作は、中国・蘇州を拠点に活動するインディーゲーム開発者の致意氏による作品で、特に日本語フルボイス対応で話題を呼んでいます。物語の舞台は、謎に満ちた地下研究施設。この施設で主人公は、生き返ったはずの幼馴染と再会し、同時に連続殺人事件に巻き込まれるという緊迫した展開が待ち受けています。ストーリーの核となるテーマは「時間逆行」で、プレイヤーは何度も選択を繰り返しながら物語の真相に迫ります。価格も手頃でありながら、クオリティの高いノベルゲームとして注目を集めています。
操作性
本作の操作性は、プレイヤーに優しい設計がされています。特徴的なフローチャート機能を通じて、選択肢によるストーリー分岐が可視化され、複数回のプレイを前提としたゲーム性が快適に体験できるよう工夫されています。一部でチャートが進行に伴い複雑化し、見づらくなるという指摘もありますが、現時点でも直感的に操作できる良好な設計です。また、テキストログの機能も充実しており、物語を振り返る際に役立ちますが、コントローラー使用時に感度が高すぎる場面があり、ここは改善の余地が感じられます。それでも全体としては、ノベルゲーム初心者でも扱いやすい完成度の高い操作性となっています。
特徴

このゲームの最大の特徴は、物語の深みと演出の巧みさにあります。地下研究施設という閉鎖的かつ緊張感あふれる舞台設定に加え、時間逆行をテーマにしたストーリーは、SFとミステリーの要素を見事に融合させています。物語には多くの選択肢が用意されており、それぞれの選択がプレイヤーの進むべきルートに大きな影響を及ぼします。また、「かまいたちの夜」に影響を受けたという作者の言葉通り、青いシルエットを活用したビジュアル表現は、独特で印象的です。
さらに、キャラクターたちはフルボイスで命を吹き込まれており、特に主人公と幼馴染の関係性は感情移入を誘うものになっています。本作は、物語の緊張感を一層引き立てる音楽や、細部まで作り込まれた台詞回しも高く評価されています。その一方で、推理要素を期待するとやや物足りないと感じるプレイヤーもいるようですが、物語の純粋なミステリー性やSF的な深みは、類似のゲームでは味わえない独特の魅力を放っています。
プレイ感想
「神無迷路」をプレイして最初にまるで小説を読んでいるような感覚で物語が進行する点に面白さを感じました。見た目のシルエット表現が、シンプルながらもミステリアスな雰囲気を醸し出し、プレイヤーの想像力を刺激します。新エンディングまでのプレイ時間はおよそ4時間と短めですが、密度の濃いストーリー展開が特徴で先が気になり一気に進めてしまいました。


時間逆行や科学的テーマを扱った物語は非常に奥深く、プレイヤーに考えさせる内容が詰まっていますが、難しい単語や専門的な表現が多いため、全てを理解しきるのは簡単ではありません。それでも、物語の面白さ自体が損なわれることはなく、理解できなくても十分に楽しめるのが本作の魅力です。また、一部には痛々しい描写や少しグロテスクに感じるエンディングもありますが、シルエットを用いた表現によって過度に生々しく感じることはなく、そうした描写が苦手な方でも安心してプレイできる工夫がされています。
推理要素は全体的に控えめで、ストーリーを楽しむことが中心となっていますが、プレイを重ねることで複数のエンディングを体験できる点が本作の醍醐味です。特にトゥルーエンドに到達するためには複数回のプレイが必要となり、最初のうちはバッドエンドを何度か経験することになる。それでも、この試行錯誤のプロセス自体が楽しく、少しずつ真実に迫る感覚はとてもよかったです。

何より、物語のテンポや語り口が非常に良いため、全体を通じてスムーズに楽しむことができました。低価格ながらここまでの完成度を誇る本作は、SFやミステリーが好きな方はもちろん、少し変わった物語を楽しみたい方にもおすすめしたい作品です。挑戦的なテーマの中に多くの魅力が詰まった一作でした。
おわりに
「神無迷路」は、シンプルなビジュアルながら、複雑で深みのあるSFストーリーが楽しめるノベルゲームです。短いプレイ時間の中に濃密な物語が詰め込まれ、何度もプレイすることで少しずつ真相に近づいていく感覚は、このゲームならではの魅力です。低価格ながら、SFやミステリー好きには心に残る体験を提供してくれる作品です。
ストーリーをじっくり楽しみたい方や、SFの世界観に浸りたい方におすすめです。挑戦的なテーマの中で、新しいゲーム体験を味わってみたいなら、ぜひプレイしてみてください。最後にたどり着く「真実のエンディング」が、あなたの心に深く刻まれることでしょう。
また、別の記事で…
引用

別記事


コメント