あいさつ
こんにちは、アイ・スーです。今回は『Cloudpunk』を紹介します。
概要

『Cloudpunk』は、ION LANDSが開発したサイバーパンクをテーマにしたアドベンチャーゲームです。2020年4月23日にリリースされ、対応プラットフォームはPC(Steam)、PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switchなど多岐にわたります。舞台は、雨に煙る垂直都市「ニヴァリス」。プレイヤーは配達会社「クラウドパンク」の新米ドライバー、ラニアとなり、一晩の間にさまざまな荷物を運びます。その中で、謎めいたクライアント、不正なAI、社会から取り残された人々と出会い、次第に街の深層に触れていきます。企業の陰謀、ハッカーの暗躍、未来社会の闇を描いたストーリーは、プレイヤーを没入させる魅力にあふれています。
操作性
『Cloudpunk』の操作は、PC版の場合、キーボードとマウス、またはコントローラーで行うことが可能です。キーボードでの操作は直感的で、特にHOVA(空飛ぶ車)の操縦がしやすいよう工夫されています。基本操作は「WASDキー」で前後左右の移動、「スペースキー」で上昇、「Shiftキー」で下降といったシンプルな構成で、初めてプレイする人でもすぐに慣れることができます。また、カメラ視点の調整はマウスで行い、都市の景色を自由に見渡せるため、没入感が高まります。
さらに、特定のエリアではHOVAを降りて徒歩での探索も可能です。この際も「WASDキー」で移動し、近くの人々やオブジェクトと対話する際は「Eキー」でアクションを起こします。例えば、都市の住民との会話を楽しんだり、荷物をピックアップしたりする場面が多く、シンプルながらもプレイヤーを飽きさせない工夫が随所に施されています。
特徴
『Cloudpunk』の魅力は、何といってもその世界観です。ネオンの光に満ちた未来都市「ニヴァリス」は、ボクセルアートで描かれていながらも圧倒的なリアリティと美しさを誇り、プレイヤーが想像しているような未来世界になっています。高層ビルが立ち並ぶ都市を空から見下ろす感覚や、雨に濡れた地面に映るホログラフィック広告は、まるでサイバーパンク映画の中に飛び込んだような感覚を与えてくれます。

登場キャラクターは、ユニークな個性を持った人間だけでなく、感情を持つアンドロイドやAIまで多岐にわたり、プレイヤーと交わす会話やエピソードが印象深いものばかりです。物語を進める中で、選択した行動がキャラクターの運命や都市の未来に影響を与えるシステムも非常に魅力的で、プレイヤーに「自分が物語を動かしている」という実感を与えます。
音楽も忘れてはならないポイントです。シンセサウンドを基調としたBGMは、未来的でありながらどこか哀愁を感じさせ、都市の冷たさや孤独感を際立たせています。
主人公は配送ドライバーとして未来都市のあちこちを駆け回り、人間、AI、アンドロイドを含む多様な登場人物と出会い、交流していきます。
主人公について
『Cloudpunk』の主人公、ラニアは、巨大都市ニヴァリスに移り住んだばかりの女性で、半合法的な配達会社「クラウドパンク」での初仕事に臨みます。 彼女は元々音楽を生業としていましたが、債権会社の影響で家族や愛犬を失い、ニヴァリスで新たな生活を始めることを余儀なくされました。
ラニアの性格は、正義感が強く、冷静でありながらも温かい人間性を持っています。彼女は、配達の途中で出会う多くのキャラクターたちに対して、単なる仕事の相手として接するのではなく、時には共感し、時には批判するなど、相手の境遇や人間性にしっかりと向き合います。また、ラニアの相棒として登場するAIコンパニオン「カミュ」が物語の中で重要な役割を果たします。カミュはかつてラニアが飼っていた犬型アンドロイドで、現在はHOVA(空飛ぶ車)のナビゲーションシステムとして組み込まれています。カミュとの会話はしばしば軽妙でユーモアに富んでおり、時には哲学的な話題に及ぶこともあります。
プレイヤーの選択によってラニアがどのように行動するかが変わるため、彼女の性格や信念がプレイヤーを通じて深く反映されるようになっています。
プレイ感想
『Cloudpunk』をプレイして最初に感じたのは、圧倒的に美しいサイバーパンクの世界観です。巨大都市ニヴァリスの街並みは、ネオンが煌めく夜景、高層ビルが林立する未来的な風景、そして雨に濡れる路地裏といったディテールが非常に丁寧に作り込まれています。空を飛ぶホバーカーで移動するだけでも、まるで映画の中に入り込んだような感覚を味わえます。街の雰囲気は独特で、プレイ中ずっと圧倒されるような没入感を得られました。

ストーリーはシンプルな運搬業務が中心ですが、その背後には奥深いドラマが描かれています。変わったAIやアンドロイド、サイボーグといった個性的なキャラクターたちが次々と登場し、会話を重ねるうちに彼らの人間味や切実な問題が垣間見えます。また、選択肢が用意されている場面ではプレイヤーの行動が物語に影響を及ぼすことがあり、それが自動セーブでやり直しが効かない仕組みになっています。この独特なシステムは、「自分ならどうするか?」と考えさせられる貴重な体験を提供してくれました。選択に重みを感じながら進めることで、物語がより重く感じられる工夫がされています。
また、単に運搬業務をこなすだけではなく、街の探索ややり込み要素が豊富に用意されている点も見逃せません。街には多くの秘密が隠されており、探索を重ねることで新たな発見やストーリーが次々と明らかになっていきます。特に街全体が独創的で、どこを見ても新鮮さを感じられる作り込みには感心させられました。
一方で、気になる点も少しありました。例えば、マップ移動中に他の車にぶつけられるといった理不尽さや、会話シーンがやや冗長に感じる場合があることです。特に、長い会話の間は次の行動にスムーズに移れない場面がありました。しかし、これらの点はゲームを進めるうちに次第に気にならなくなりました。それだけストーリーや世界観の魅力が大きかったのかもしれません。

サイバーパンクというテーマが好きな方には、このゲームはまさに理想的な体験を提供してくれる作品だと言えます。ストーリーには派手さはありませんが、静かな人間ドラマが描かれており、心に残る場面がいくつもあります。とにかく雰囲気が素晴らしく、街を歩いているだけで「この世界の住人になった」という感覚を味わえるほど没入感があります。『Cloudpunk』は、サイバーパンクの美しい世界観にどっぷりと浸りながら、物語を通じて新しい価値観や考え方に触れたい人にとって、間違いなくおすすめのゲームです。
おわりに

『Cloudpunk』は、美しいサイバーパンクの世界観と深みのある物語でプレイヤーを魅了する、まさに芸術作品のようなゲームです。この作品は特に、サイバーパンクの世界観が好きな方や、派手さよりも人間ドラマや深い物語を楽しみたい方にぴったりです。単なる運搬業務の中に、人生の選択や価値観が試されるシーンが盛り込まれており、自分の選択が物語にどう影響を与えるのかを考える楽しみもあります。少しでも興味のある方にはぜひプレイしてほしい作品でした。
また、別の記事で…
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