あいさつ
こんにちは、アイ・スーです。今回はカード主体の都市建設ストラテジーゲーム『段ボールの町』を紹介します。
段ボールの町 概要
『段ボールの町』はカード主体の都市建設ストラテジー作品です。開発はStratera Gamesとcukutoが担当し、2023年8月18日にSteam正式リリースされた、シングルプレイ専用ゲームです。ゲーム中では「段ボール」で描かれた手描きグラフィックと温かみある演出が魅力です。プレイヤーは建築カードを使って資源を管理しながら町を発展させます。ランダムなイベントやクエストカードが毎回新鮮な展開をもたらし、リプレイ性も高く設計されています。
詳細
本作は都市建設×ローグライトをカードで体験できる点が最大の魅力です。１００種類超の建築・アクションカードを組み合わせることで、毎プレイが新鮮な展開になります。手描き風の段ボール表現は独特の温かみがあり、カートゥーン調のグラフィックが作品全体に遊び心を与えています。
音楽はやさしいメロディを基調とし、落ち着いた雰囲気の中で建設に集中できます。ゲームモードはスタンダードに加え、サンドボックスや災害中心など多彩で、自分の好みに合わせた遊び方が選べます。
資源（水・電力・治安・自然環境）を常に管理しながら、トラブルや建築を進める戦略性があり、おろそかにして赤色警報が３回出ると終了となる緊張感も楽しめます。また各モードで得た経験値で新カードやモードが解放され、メタ成長要素も備わっています。ランダムイベントやクエストが毎回異なり、繰り返し遊びたくなるリプレイ性の高さも特色です
操作
本作はマウス操作を中心に進行します。建築カードを選び、盤面へドラッグ＆ドロップで配置します。マウスホイールで画面の拡大縮小が可能で、操作は直感的です。数字キーを押せばカードの素早い切り替えが行えます。建物を設置するごとに資源の増減が反映され、画面上部でその状況を常に確認できます。イベントやクエストが発生した際には、選択肢をクリックすることで処理が進行します。
ゲームは全体的にテンポよく、複雑な操作を覚える必要はありません。プレイ感覚はボードゲームに近く、落ち着いて操作を楽しめるつくりです。現在はキーボードとマウスに最適化されていますが、コントローラーでのプレイも一部可能となっています。
プレイ感想
良かった点
良かった点としてゲーム全体のバランスの良さです。プレイヤーは毎ターン限られたカードとリソースの中で街を維持しなければならず、建てれば何かを失うというジレンマに常に悩まされます。水、電気、自然、治安という4つの資源の管理と定期的に来るトラブルと強制建築に耐えながら、街を作っていきます。どちらかというと都市建設というよりリソース管理ゲームという感じですね。
おろそかにして警報が3つになると強制終了というルールが、緊張感を生み出しながらも非常にシンプルでわかりやすいです。災害やイベントが毎週押し寄せる中、ギリギリの綱渡りをしながらリソースを管理し、最善の一手を探る駆け引きがとても楽しく、最初の数回は「今回は乗り切れた」となる場面がいくつもありました。
気になった点
プレイを重ねるごとにメタ要素であるカードアンロックや初期ボーナスが積み上がり、街の運営が次第に安定してきます。その結果、序盤特有の「いいカードが来ないと崩壊する」というヒリついた緊張感はやや薄れてしまいました。
また、手札や山札を圧縮する手段が限られており、デッキ構築の自由度が低く感じる場面もあります。気づけば手札が溢れ、新たなカードを引けずにゲームが詰むといった展開も珍しくありません。資源だけでなく、カードやマスの管理にも気を配らないと、すぐに崩壊してしまうほどのバランスになっています。この点は初見のプレイではきつかったですが、何回かやったら慣れました。
総評
このゲームはローグライトとカード戦略の融合に成功しており、やり込むほどに少しずつプレイが上達する実感があります。かわいらしい見た目とは裏腹に、緻密でストイックなリソース管理が求められる本作は、気軽な雰囲気の中で何度も挑戦したくなる良質な一本です。
おわりに
段ボールで彩られた可愛らしい街の見た目に反して、中身は緻密でストイックなリソース管理が求められる本作。失えば終わり、けれど失わずには得られない──そんなジレンマと向き合いながら、自分だけの都市運営に没頭できる体験は、他の都市建設ゲームとは一線を画しています。カードゲームやローグライトが好きな人はもちろん、テンポよく遊べる頭脳系ゲームを探している人にもぴったりです。手応えのあるゲーム性を、段ボールの温もりとともに楽しんでみてはいかがでしょうか。
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