和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE【ゲーム紹介】

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あいさつ

こんにちは、アイ・スーです。今回はミステリードラマの語りを追う推理アドベンチャーゲーム『和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE』を紹介します。

和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE 概要

『和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE』は、推理アドベンチャーゲームとして2023年10月に登場しました。開発は墓場文庫、販売はroom6が手がけています。SteamとSwitchに対応し、価格は税込1,564円です。

本作は3つのエピソードに加え、新規の「指切館の殺人」を収録しています。舞台は1980年代の日本で、奇怪な事件に挑む本格推理が魅力です。ドット絵と渋い音楽が独特の雰囲気を演出し、短時間で濃厚な物語が楽しめる作品となっています。

詳細

『和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE』は、1980年代の日本を舞台にした推理アドベンチャーゲームです。プレイヤーは刑事・和階堂真となり、聞き込みや探索で手がかりを集め、事件の真相を解き明かしていきます。

ゲームは横スクロール型で進行し、各エピソードはだいたい1時間でクリア可能なボリュームとなっています。聞き込みで得た情報はメモ帳に記録され、適切な場面で使用することで新たな証言や証拠が得られます。情報が一定数集まると推理パートが始まり、集めたキーワードを用いて事件の真相を導き出します。

グラフィックはミニマルなドット絵で描かれ、レトロな雰囲気を醸し出しています。BGMはハードボイルドなジャズ調で、物語の緊張感を高めています。キャラクターたちは個性豊かで、和階堂の冷静沈着な性格や、事件に関わる人々の人間模様が丁寧に描かれています。

収録されているエピソードは、「処刑人の楔」「隠し神の森」「影法師の足」「指切館の殺人」の4つで、それぞれ異なる事件が展開されます。特に新規エピソード「指切館の殺人」は、嵐で孤立したペンションを舞台に、幽霊の噂や奇怪な事件が絡むクローズドサークルものとなっており、シリーズの中でも異色の存在です。

操作

本作の操作方法はとてもシンプルで、誰でも直感的にプレイできます。キーボード操作では、カーソルキーでキャラクターの移動や選択肢の操作を行い、クリックで話しかけたり、調べたりすることができます。

会話中にキーワードを使用する場面では、リストから選んでクリックで決定する形です。ゲームの進行にアクション性はなく、じっくりと推理や会話を楽しむ形式なので、操作に不安がある人でも安心して物語に集中できます。

プレイ感想

良かった点

本作は章仕立てで構成されており、1話ごとに完結するためプレイの区切りがとてもつけやすかったです。1エピソードがドラマ1本分ほどの長さで、寝る前や空き時間に少しずつ楽しめるのが心地よいテンポでした。

物語は叙述トリックやミスリードが多めではあるものの、先の展開が読めないわけではないので、小説を読むような感覚で進められるのは良ポイントでした。

グロテスクな描写はなく、ドット絵が想像力を刺激してくれるため、緊張感がありながらも怖すぎないバランスが魅力的です。

基本のストーリーはしっかりしていて、ミステリーとしては十分に楽しめると思います。BGMも雰囲気にぴったりで、調べ物をしているだけでも心地よい緊張感が続きます。

気になった点

気になった点としては、全体的にスピードが遅めです。キャラの移動速度や情報集めなどゆっくりめに設定されているのでそこはストレスに感じるかも。

次にUIが若干不便で、文章を飛ばしていると同じ選択肢を何度か押してしまうことがあって、そこはストレスではありました。

また、情報を集めるためにメモを逐一セットする必要があり、それがやや面倒に感じました。持っているメモを自動で反映してくれる仕様ならもっと快適だったのではと感じます。

最後に推理アドベンチャーと銘打たれていますが、選択肢やルート分岐はなく、実際には一本道に近い構成です。このあたりは「推理する」というより「語りを追う」楽しさに重点があるため、そこは好みが分かれると思います。

総評

総じて、推理ゲームというよりミステリードラマを体験するような作品で、人によって好みは分かれそうですが、私個人としては普通に楽しめました。空想を膨らませる余地のあるドット絵と緊張感のある演出、ストーリー展開は物語をじっくり味わいたい人におすすめです。

おわりに

本作は、推理というよりも物語をじっくり味わうタイプの作品でした。派手さはないものの、淡々と進む中にひそむ違和感や静かに語られる事件の真相がじわじわと心に残ります。

全体としては、自由に推理を展開していくというよりも語られる物語の真意を読み解いていくという感覚が強く、読書やドラマ鑑賞が好きな人に特におすすめできる内容だと思います。短編三作を通して一貫した空気感があるので、ぜひ腰を据えてその世界に浸ってほしいと思います。

ストアページ

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