あいさつ
こんにちは、アイ・スーです。今回は荒廃した世界を舞台に、言葉を使わずに物語を紡ぐアドベンチャーゲーム『FAR: Lone Sails』を紹介します。
概要
『FAR: Lone Sails』はOkomotiveが開発した、横スクロール型の探索アドベンチャーゲームです。2018年5月にSteamでリリースされ、日本語にも対応しています。価格は通常1,520円でセール時は200円台になることもあります。舞台は文明が崩壊したあとの乾いた世界でプレイヤーは不思議な乗り物に乗り込み、燃料を補給し、エンジンを動かしながら旅を続けます。ストーリーは言葉を使わずに展開され、風景や演出で語られる静かな世界観が魅力の作品です。
詳細
本作は荒廃した世界を舞台に、言葉を使わずに物語を紡ぐアドベンチャーゲームです。プレイヤーは、巨大な船を操作し、風景や音楽、環境音を通じて、静かで感傷的な旅を体験します。ゲームプレイは、乗り物の操作や燃料の管理、障害物の克服など、シンプルながらも戦略性が求められます。プレイヤーは、乗り物の維持や修理を行いながら、進行ルートを切り開いていきます。セリフやテキストを排除し、環境や演出で語られるため、プレイヤーは自らの解釈で物語を紡ぐことができ、深く物語に没入し、感情移入が促されます。
ゲームのグラフィックは、手描き風のアートスタイルで、灰色を基調とした世界に主人公の赤い服が映えます。廃墟やガレキが広がる中、風や砂の動きが繊細に描かれており、プレイヤーはその美しさに引き込まれます。音楽はJoel Schoch氏が手がけたサウンドトラックが特徴で、環境音とともに旅の雰囲気を一層引き立てます。風の音、帆のはためき、金属の軋みなどが、孤独感や緊張感を演出し、プレイヤーをより楽しませてくれます。
操作
本作の操作はとてもシンプルなものです。まずキーボード操作では移動にA・Dキー、ジャンプにWキーまたはスペースキー、物を拾うにはEキーを使用します。ゲームパッドにも対応しており、より直感的で簡単な操作が可能です。
乗り物の操作は燃料を供給しエンジンを始動させ、適切なタイミングで蒸気を排出して速度を維持します。操作は全体的に直感的で、プレイヤーは環境との対話を通じて、乗り物を効果的に運用する方法を自然に学んでいきます。
プレイ感想
良かった点
まず印象的だったのは圧倒的に美しい世界観です。どこか切なさを感じる灰色の風景の中に、乗り物の赤が映え、まるで絵画の中を旅しているような没入感がありました。文明が崩壊した後の世界を静かに巡りながら、景色と音楽を味わう贅沢な時間が流れていきます。
操作は直感的でわかりやすく、難しく考えずに船を維持管理して進むことができるため、ゲームが苦手な人でも安心して楽しめると思います。また、道中で登場するパズルも、簡単ながら解きごたえがあり、進行にちょうどよいアクセントを加えてくれました。雰囲気重視のお散歩ゲーとしても完成度が高く、世界観に浸る時間そのものが癒しになりました。
気になった点
全体のボリュームがやや物足りなく感じられました。パズルや演出はどれも魅力的なのですが、4時間ほどでエンディングを迎えてしまい、もう少し欲しかったと感じました。また、フルプライスでの購入を考えるとその価格に対して内容がやや少なめに感じられるのも正直なところです。特にストーリーにテキストや会話が一切ない分、感情移入のきっかけが人によっては掴みにくいかもしれません。
まとめ
本作は美しい景色と音楽、程よいパズルを通じて、世界を静かに旅する喜びを教えてくれる作品です。派手なアクションや難解な謎解きはありませんが、その分、自分自身の感性で物語を受け止められる余白があります。数時間の短い冒険ですが、十分に楽しめるはずです。私個人としてはセール時の購入を強くおすすめします。
おわりに
本作は静かに心を揺さぶってくれる作品でした。派手な演出や複雑なストーリーはなかったものの美しいグラフィックと音楽に包まれながら、文明が消えた後の世界を旅する時間は現実を忘れさせてくれる特別なものがありました。リソース管理やパズルも適度な難易度で、程よい緊張感と達成感を与えてくれます。ボリュームは控えめですが、そのぶん凝縮された密度のある時間が楽しめます。落ち着いたゲームを探している人には、ぜひ手に取ってほしいタイトルです。
ストアページ
コメント