Mountain【ゲーム紹介】

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あいさつ

こんにちは、アイ・スーです。今回は理解が難しい謎のシミュレーションゲーム『Mountain』を紹介します。

Mountain 概要

Mountainはアイデンシャルな自然を舞台としたシミュレーションゲームで、開発はDavid OReilly氏が担当しています。2014年7月1日にWindows、macOS、Linux、iOS向けにリリースされました プレイヤーは画面上に浮かぶ“山”の存在を見守りながら、時間経過で季節や天候の変化を眺めます。

初期に山の形が質問に応じて決定され、その後は干渉できず、観察者として自然の移ろいを受け入れる体験が楽しめます。シングルプレイ専用で、操作は視点移動とズームが中心。哲学的で静かな世界観が特色です 。

詳細

このゲームの最大の特徴はプレイヤーが山を操作するのではなく、ただそこに存在し、時間の経過を眺めることにあります。最初にいくつかの哲学的な質問に答えると、それをもとに生成された自分だけの山が誕生します。山は宇宙空間のような場所にぽつんと浮かび、季節や天候がリアルタイムに変化していきます。雨が降り、雪が積もり、雷が落ち、そしてやがて朝が来て、夕暮れが訪れます。

プレイヤーに許された操作は極めて限定的で視点の回転やズーム、そしてキーボードを用いた簡単な音の演奏だけです。自然のゆっくりとした変化や、時折山に降ってくる謎のオブジェクト、そして山自身が語りかけるように表示される断片的なテキストです。それらは詩のようで、時には意味深く、時には意味があるのかすら分からないものです。

グラフィックは一見シンプルながら、風や雲、日の差し方などの描写が非常に繊細で、美術作品のような佇まいを感じさせます。また、ゲームにはBGMらしいBGMが存在せず、代わりに風の音や鳥のさえずりが静かに響きます。この環境音が、より一層の没入感と安らぎを与えてくれます。禅的でミニマルなこの作品は何とも言えない面白さを感じさせます。

操作

プレイヤーは最初に質問への回答をもとに山の形を作り、以降ほとんど操作しないまま変化を観察するスタイルで、時間の流れや季節の移ろい、落下物による痕跡などをじっと見守ることになります。

マウス操作で回転させたり。ズームしたりすることができ、キーボードでは簡単な音楽を流すことができます。操作は基本これしかないので難しくないと思います。

プレイ感想

良かった点

浮かぶ山をただ眺めるという異様なゲーム。操作らしい操作はほとんどありませんが、静かに時間が流れていく山の様子には、なぜか惹きつけられるものがあります。キーボードのASDやZXCといったキーを押すとピアノのような音が鳴り、その音色が環境音と相まって穏やかな気分にさせてくれます。何もしていないようでいて、連打していると時間が早く進んでいるような挙動(実際は特に進んでないかも…)が見られ、不思議な干渉感が感じました。

時間経過とともに様々なオブジェクトが山に突き刺さっていく現象は、無意味なようでいて妙に印象的です。左クリックを長押しすればそれを引っこ抜けるのですが、手を離すとまた突き刺さるという謎仕様は戸惑いが大きかったです。見た目も美麗で、生成される山の種類はとてつもない量があるそうです。

気になった点

基本的には“ただ眺めるだけ”なので、何かゲーム的な進展を求める人には退屈に感じるかもしれません。マルチエンディングに対応しているらしいですが、5000時間でnormalEND、10000時間でtrueENDらしいです。ここまでくると意味が分かりません。そこまでの継続プレイを求められるというよりは皮肉のように受け取れる設計で、本気で時間を費やすほどの要素はありません。なので、何か意味を持って買うのやめましょう。

総評

正直、これをゲームと呼んでいいのかどうかは非常に怪しいですが、唯一無二の存在感を放っているのは確かです。価格も非常に安価ですし、ほんとに時間の無駄ではありますが、その“無駄”を楽しめる人にとってはこれ以上ない暇つぶしになるでしょう。自分の山を静かに見つめながら、世界と切り離されたような孤独を味わう体験がしたいなら、ぜひ試してみてください。

おわりに

「Mountain」はただ浮かぶ山を眺め、変化しないようで少しずつ変わっていく様子に身を任せる。誰かと競うわけでもなく、物語を追うわけでもなく、ただそこに存在する山と静かに向き合う時間。それは現代の忙しない生活の中で、ふと立ち止まるきっかけになるかもしれません(そんなことないかも)。

何も起きないことを楽しめる人、意味のなさに意味を見出せる人にとってはいいゲームだと思います。しかし、このゲームは間違いなく人を選びます。でもあなたが今、何も考えずにただ静かな何かを眺めていたい気分なら。そのときこそ「Mountain」は最もふさわしい選択肢になるかもしれません。安価であることもあり、ちょっとした現実逃避にぜひどうぞ。

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Existential Nature Simulation

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